ベベル角で使い分けるエッジのチューンナップ

tune-up

 最高のスキー用具であっても、適切なパフォーマンスを確保するためには、常にメンテナンスをする必要があります。これはスキーヤーのレベルに関係なく、常に自然の中で使う道具なので、スキーを最適な状態に保つことが重要です。

チューンナップ(tune-up)とは、「既存のデバイスに手を加えて性能を高めること」、スキーにおける「チューンナップ」とは、一般的には滑走面側のエッジと側面側のエッジの研磨と滑走面のクリーニングとワックスがけを示します。ここではエッジのベベル角についてお話しします。

 スキーメーカーは、単に心材とエッジをサンドイッチして加工しているわけではなく、エッジを正確な形状に加工して出荷しています。メーカーの工場出荷時のベベル角を覚えておくと良いでしょう。

通常、エッジは滑走面側のエッジと側面側(サイド)のエッジの2つのベベル角で定義されます。ベベル(Bevel)とは、面取りのことで、エッジに対して角度をつけてカットすることを意味します。

滑走面側のエッジをベースエッジをいい、このベースエッジのベベル角が1度という場合は、滑走面側のエッジが雪面から1度浮く(離れている)ように研磨されている状態を言います。側面側のサイドエッジのベベル角が1度という場合は、鉛直方向に対してスキーの内側に鋭くなるように研磨されていることを意味します。

XCMAN Ski Snowboard File Guide Tuner Chart Listing」が非常にわかりやすいので掲載しておきます。

 滑走面側のベースエッジのベベル角が小さいほどズレにくくなり、サイドエッジのベベル角が小さくなるほどカービング要素が強くなります。マシンによるチューンナップの場合、ベースエッジとサイドエッジのベベル角を指定することができないところもあります。同時にオールラウンドの解釈によっては、ベースエッジのベベル角が1度で、サイドエッジのベベル角が89度になることもあるので、お店の方によく聞いてからチューンナップをお願いしましょう。

 SIDECUTは、U12、U14-16、U18-WCの競技選手の「TUNING DEGREE GUIDELINES」を掲載しています。年齢別にベベル角を調整することで、怪我の防止につながる工夫もあるようです。参考になります。

追記ですが、革新的な V-Edge テクノロジーを使って、スキー板の長さ全体に沿って、トップからセンターそしてテールに至るエッジ角を完全に自動で提供している全自動チューニングマシンJupiterWINTERSTEIGERから販売されています。スノースポーツのWebメディアSTEEPに詳細が掲載されていますので、興味のある方はご覧ください。