無双シリーズを施工する前には必ず古いパラフィン系ワックス(他社のワックス)はリムーバー等で落としてから施工するようにしてください。滑走面の素材はポリエチレンをベースに作られており、無双はこの滑走面と同じポリエチレン素材をベースにしています。従って、ここにパラフィンが混ざる、もしくは下地にある状態となると密着性と強度が大幅に落ちてしまいます。
ポリエチレンホットワックスの特徴は、板が冷えていても施工が可能で、ベースワックスが不要、雪質を問わず、効果はパラフィン系の約20倍程度の持続性を誇り、滑走距離は約200㎞~500㎞と言われています。一般的に高価なイメージがありますが、他のワクシングと比べてみると意外な結果が出てきました。
まず無双は60gですが、使用回数を10回分として計算しました。持続日数は10日間として算出し1日当たりの単価を計算してみました。同様にイソパラフィンを利用したワクシングもパラフィン系のワクシングを1台当たり2.5g消費する計算で100gあたり約40台分と想定してみました。ベースワックスは10日間に1回の施工としています。
以下票の通りで、
GALLIUM BASE WAXをベースに、イソパラフィンで固形滑走ワックスを刷り込むと50円/日前後で済みます。GALLIUM BASE WAXをベースに、HAYASHI WAX RMU LQDを使うと170円/日かかります。無双とスーパー無双はパラフィン系のベースワックスを使わず単体で使うと、50円/日前後で済みます。
ベースワックスの下地の有無に関わらず、イソパラフィンでパラフィン系の固形ワックスを溶かして滑走面に刷り込むのが一番経済的です。イソパラフィンは、サーフボードのリムーバーなどで販売されているものを使えば安価に入手できます。これにブラシを購入するだけで対応できるのも利点です。
ベースワックスを定期的に塗る必要があるため、アイロンやスクレーパー、ベースワックス、ナイロンブラシなどチューンナップ道具が必要ですが、滑走性を重視しつつ、毎回の作業を短縮するのであれば、単価は高いですが、液体ワックスの選択肢もあるかと思います。但し機内持ち込みがNGなので、使用場所を選ぶかもしれません。
リムーバーで滑走面の汚れを落とした後、無双を施工することが大切です。140度のホットワクシングの直後にスクレ―ピングしなければいけないので、アイロン、カーボン製スクレーパー、ブラシなどのチューンナップ道具が必要ですし、ある程度の技量が必要になります。それさえできればブラシングをするだけで滑走性を確保できます。非常に硬いワックスで持続性もチームレスキューによるとパラフィン系の20倍、滑走距離で500㎞としています。シーズンの滑走日数が20日間程度なら一度の施工で通すことができます。それに滑走性を重視するのであれば、Z(プロ用親水系最高峰液体ワックス)を加えるのも選択肢の一つです。
無双の価格は一見高いように見えますが、1日当たりの価格で比較してみると、50円/日程度とイソパラフィンを使用する場合とほぼ同額で済む計算になります。
- 無双 60g 4,980円(税込) 主成分:高耐久ポリエチレン
- スーパー無双 60g 8,800円(税込) 主成分:最高級ポリエチレン