恒例のカスタムフェア東京会場が6月13日から15日までサンシャインシティのワールドインポートマートビル 展示ホールAで開催されました。初日にK2ブースからお邪魔し、ゴーグルやヘルメットそれにグローブなどを試着しながら候補を絞り込み、ウェアのブースも覗いてきました。
まずブーツですが、先シーズンから気になっていたK2のCORTEX ZONAL 140 BOAを履いてみました。CORTEX ZONAL 140 BOAは、ゲレンデやサイドカントリー、さらにはフリーライドの競技シーンにおいて、一切の妥協を許さないスキーヤーのために設計された純粋なアルパインブーツです。最大の特徴は、K2が新たに採用した「デュアルBOAフィットシステム」にあります。
「Zonal」(ゾーナル)という用語は、K2がCORTEX ZONALシリーズのブーツで採用している革新的な設計思想を表す核心的なキーワードです。Zonalとは、Zone(区域)ごとのという意味があります。この「Zonal」はブーツの締め付けを複数の「ゾーン(区域)」に分けて、それぞれを独立して調整できることを意味しています。
それにウォークモードを搭載せず、シェルとカフを完全に固定することで、スキーへのダイレクトな力伝達と、パワフルで粘りのあるプログレッシブなフレックスを生み出します。 併せてラスト幅は96-98mmのローボリューム設計で、足全体をタイトに包み込み、スキー操作におけるわずかな動きも逃さず板に伝えます。 また、軽量化よりも剛性とパワー伝達を優先した設計になっています。重量はブーツ長25.5cmで約2.2㎏すので、MINDBENDER BOA 140の約1.8㎏に比べると少し重くなっています。
フレックスは140ですが、MINDBENDER140BOAと同様に、アッパーシェルのタン部分にプレート(黒)が付いていました。このプレートを外すとFlex強度が130前後まで下げれるので、上級者であれば問題なく使えます。
さっそく履いてみて驚いたのは、事前情報でインナーブーツが薄いと聞かされていたので、かなり当たる感じがするのではないかと思っていたのですが、インナーブーツの作り方がうまいですね~踝を中心に肉球のようなホールド感がありながら、BOAシステムで包み込む感じが伝わってきました。
アッパーシェルのBOAは慣れれれば問題なくできますが、明らかにバックルタイプの締め付け感とは異なる締まり具合です。バックルタイプの場合、まず3番バックルを締めて、次に4番バックルを締めると、3番バックルが緩んでしまうことがよくあります。アッパーシェルのBOAシステムは、上下のシェルを均一に締めてくれるので、再調整が不要です。そのお陰でホールドされたまま足首の可動域が確保できるのには驚かされました。
MINDBENDER140BOAがフリーライドやバックカントリー仕様で、AVICULAR PUNCH(舟状骨保護パンチ)が施されているのですが、CORTEX ZONAL 140 BOAは、シェルと足部の密着感やダイレクト感を出すために、最小化されているようです。足型が合わないときは熱成型や加工を施すことになります。
また、CORTEX ZONALシリーズのBOAの内、ロアシェル側のBOAの位置が比較的横についているのは、スティッチ(シェルの重なり合っている部分)を長く取ることで、BOAのホールド感を均等に締め付けられように新しい金型から造ったそうです。
あと今日気が付いたのですが、ワーキンググリップのラバーは歩くときの設置面積を広げるために、ロアシェルから少し外側にはみ出しているのですね。いままで気が付きませんでした。
CORTEX ZONAL 140 BOAとMINDBENDER 140 BOAは、同じフレックス値を持つ兄弟モデルでありながら、CORTEX ZONAL 140 BOAは、「究極の滑走マシン」として仕上げられ、MINDBENDER 140 BOAは、定評のある滑走性能に優れたツーリング機能を加えた「万能なフリーライドマウンテニアリングブーツ」と言えそうです。