MINDBENDER140BOA 2024-2025

MINDBENDER140BOA

 ようやくK2のMINDBENDER140BOAを受け取ることができました。さっそく石井スポーツ盛岡店でインソールを作りました。このブーツはMINDBENDERの中で最もINDEXFLEXが硬いブーツなんですが、3番と4番バックルに付いているプレートを外すと120から130前後の柔らかさが出て足首の可動域が確保されます。上級者なら十分使いこなすことのできるブーツに仕上がっています。それにこのブーツはテックビンディングにも対応しており、バックカントリーでの使用も考えられているため、ブーツの背部にPowerlock Spyne がついており、バックカントリーモードとスキーモードを切りかえることができるため、歩きやすく、スキーモードにセットすると、とてもバランスが良く、ジワッと曲げることができるのには驚かされました。もう一つの特徴は、インナーブーツがオーバーラップタイプで、BOAで締められるようになっています。履くときにはチューリップのように開き、ストンと足入れができ、BOAでインナーブーツを締めてから、1番と2番バックルの代わりにBOAで締めて、3番と4番バックルはいつもと同じように締めていきます。歩くときはPowerlock Spyneを上に引き上げればウォークモードになり、グリップウォーク対応なので非常に歩きやすいです。滑るときは、Powerlock Spyneを下に下げればスキーモードになります。いままで1番と2番バックルの調整幅が狭く悩まされてきた方にとっては、このホールド感は是非味わってもらいたい1足と言えます。

MINDBENDER 140 BOA 名器再来!

 カスタムフェア東京会場が今日から日曜日までサンシャインシティ展示ホールAで開催されています。まずK2のブースに出かけてみました。松ノ木先生もいらしていたので挨拶をして、さっそくMindbender140 BOAを履いてみました。
 ライナーがオーバーラップのインチューションになり、インナー部分にもBOAがついているので心配していましたが、つま先をライナーにくぐらせていくと、そのままブーツが履けてしまうではないですか~これは驚きです。たぶんインデックスフレックス140のブーツで両手でアウターを広げないで履けるブーツはこのブーツ以外ないでしょう。これは楽です。そしてオーバーラップのインナーをBOAで締めていくと、包み込むようなホールド感で締まっていきます。第1・第2バックルの部分は、BOAシステムに代わり、足の甲だけでなく足裏から締めてくれるので、足の甲とくるぶしの両方が締まります。これは本当にありがたいです。それに、後ろにPOWERLOCK SPYNE(パワーロックスパイン)という調整バネがついていてツアーモードに切りかえたりできるのですが、このバネ感が足首の動きを邪魔しないか心配していたのですが、じわっと前傾し、じわっと戻ってくるではないですか。おそらく第3・第4バックルに装着してあるプレートを取り外せば、インデックスフレックスが130前後になり、今使っているRECON PROと同じ感覚で扱えることが分かりました。ブーツの重量は約1.8kgと軽く、着脱も容易で、ホールド感も良い、それにツアーでも使える優れものです。

RECON 120 BOASKIBOOTS

RECON 120 BOASKIBOOTS

BOAは、スノーボーダー、サーファー、起業家そして真のパイオニアであるGary Hammerslag(ゲイリー・ハンマースラグ)によって2001年に設立されました。ゲイリーは、スティームボートに移った後は、スノーボードを楽しんでいましたが、従来の靴ひもでは正確なフィット感が得られないことに気づき、現在のBOAフィットシステムを作り上げました。

BOAフィットシステム

「BOAフィットシステム」は、いかに素早く万全な状態にブーツをフィットさせるかを実現したシステムで、スノーボードのブーツからランニング、サイクリング、ゴルフなど様々な分野で、世界中のブランドパートナーの製品に搭載され、最高のギアを作り上げています。スキーブーツに搭載されたのは2023-2024モデルからで、K2、SALOMON 、ATOMIC、FISCHERの4社からBOA SKI BOOTSが発売されています。

アルペンスキーに特化した設計

2023-2024シーズンのスキーブーツでは、K2、SALOMON 、ATOMIC、FISCHERの4社がBOAフィットシステムを採用しました。もちろん各社スキーブーツの金型は異なりますので、自分の足形にあったメーカーを選べば、BOAフィットシステムの性能をより体感できると思います。

BOAフィットシステムのH+i1 は、微調節可能なダイヤルと軽量で非常に強力なレース(ケーブル)、それに低摩擦のレースガイド(留め具)の3つで構成されています。

K2 Recon 120 BOA スキーブーツは、バックルの代わりにBOAフィットシステムをカフ下部に搭載した新しいアルペンブーツです。熱成型が可能なこのブーツは、カフ部のシェル全体を包み込むように調節ができるので、従来のようにラストの幅別にブーツを作る必要がなくなりました。簡単なマルチフィットラストを採用したことで、より幅広い足型に対応するようになっています。レーシング用の25.5cmのラストには91mmというのもあります。私のラスト(足幅)は100mなので91㎜は狭すぎて窮屈ですが、K2のラストは97-104mmの幅があるので足が横から押しつけられることはありません。ひとダイヤルづつ微調整が可能で、締めたり緩めたりできます。解放したいときはダイヤルを引っ張ればOKです。

K2のSKIBOOTSの特徴は、4つの異なるPower Shellとブーツの後部に配置されたPOWERFUSE SPYNE(Y字型の補強材)でTPUの剛性を高め、甲部のソフトなTPUを配置することで、ハンズフリー・エントリー(HANDS FREE ENTRY)素早く簡単に足の出し入れができます。もうひとす、K2唯一の画期的なシェル形状であるAVICULAR PUNCH(舟状骨保護パンチ)を配置することで、舟状骨のあたりを防止してくれます。

参考

至高のスキーブーツ

数あるスキーブーツの中で、何年かに一度、履いた瞬間に完璧なブーツが出現します。2020-2021シーズンのRECON PROは完成度の高い隠れた名器と言えそうです。

一般的にエキスパート用のブーツは、ラストが狭くシェルの硬度が高い競技ブーツをベースに、ダウングレードされていくので、競技用の性格がいろいろな部分で見え隠れします。例えばラストが細くて足が締まるとか、シャルが硬くて着脱に苦労するとか、バックルを締めるとリフト1本で足がしびれるとか、ホールドを重視した設計は、レース用のバーン以外では苦労することも少なくありません。しかしK2の開発スタッフは、ブーツのフレックスとスキーのフレックスを組み合わせることが重要であると考え、硬くてもしなるという相反する性質を兼ね備えたブーツの開発に成功しています。

新しいPowerlite Shellは、4つの異なるTPUの剛性と最適な壁の厚さを組み合わせることで、高い剛性と1740g(26.5cm)という軽量化に成功しています。

横方向の剛性を伴う前後のフレックス強度とパワーは、ネジやプレートを使うことなく、ブーツの後部に配置されたPOWERFUSE SPYNE(Y字型の補強材)で提供しています。

それにPowerliteシェルの甲部分にソフトなTPUを配置したことで、素早く簡単に足の出し入れ(HANDS FREE ENTRY)ができます。

踝から脛骨部にかけて包み込むようなホールド感を既製品で実現していることには驚かされます。

それにNAVICULAR PUNCHはK2唯一の画期的なシェル形状でしょう。NAVICULARとは外頸骨のことで、足の内側のアーチの中央部に生じる過剰骨のひとつで、本来1つにまとまるはずの骨が別々に分かれたままになってしまうことで、舟状骨の隣にできます。文献によると5-14%の人に外脛骨があるとされています。

アウターシェルの形状が合わないと、この外頸骨を圧迫し痛みが出ることがあります。この外頸骨にアウターシェルがあたらないようあらかじめパンチしてあるのは唯一K2ブーツだけなのです。

それに女性用の新製品ANTHEM PROにはふくらはぎが当たらないようにカフの形状を低く設計されています。